東京タワーやスカイツリー。東京という街を代表する名所は数多くあります。レインボーブリッジもまたそのひとつ。
そもそもまずは知らない方のためにレインボーブリッジとは何ぞやっていうのをちょっとだけご説明。レインボーブリッジとは東京都港区芝浦エリアと港区台場エリアを結ぶ吊橋で1993年に開通されました。もっと昔からあるのかなぁと思っていましたが意外と新しい橋なんですね。
全長は約800mで塔高126m橋げた52mと数字だけでその巨大さをおわかりいただけるかと思います。
そんな大都会を象徴するような巨大な橋ですが実は自転車で渡ることができるということはご存知でしょうか。
歩いて渡ることができるのは知っていたのですがなんとなく自転車でも渡ることはできるのかなぁと気になりレインボーブリッジさんに直接電話して聞いてみました。すると「大丈夫です!」と元気よくお返事をいただいたので行ってきました。
しかし自転車の通行自体は可能なのですが少々特殊なルールなどがあるのでそれを今回は画像とともにお伝えしていきます。この日はめっちゃ天気が良くお台場海浜公園のビーチをゴールにしたいので芝浦ふ頭側からお散歩をスタートしていきます。
それでは当日の一部始終をご覧ください。
まずはゆりかもめの芝浦ふ頭駅からレインボーブリッジ入口を目指します
ゆりかもめの芝浦ふ頭駅からはレインボーブリッジがもう見えているので橋のたもとを目指して自転車を漕いでいきます。ちなみに私ここへ辿り着くまでに1時間くらい漕いできました…画像で説明すると右方向へと直進すればレインボーブリッジ遊歩道の入口があります。
芝浦ふ頭駅からチャリで爆走すること2分くらいで無事レインボーブリッジ展望遊歩道に到着。
いやぁ〜この巨大な橋を眺めるだけでも1時間かけてママチャリで爆走してきた甲斐があります。これからこの橋を自転車で渡れるんだと想像するだけでワクワク感はMAXに。まずは右手に見えている受付で係員さんに自転車で渡りたい旨をお伝えします。
そうすると写真がわかりづらくて申し訳ないんですけど、ご覧のように自転車の後輪に台車を取りつけます。というのも橋は漕いで渡ることができないので渡り切るまでは終始この台車をつけて押しながらの旅になります。旅のおともになるわけです。最後までよろしくね。
係員さんも丁寧かつわかりやすくルールを説明してくれたので旅の準備はこれでバッチリ!
まずはこのようなスローブを上がっていきます。
レインボーブリッジ遊歩道入口(芝浦ふ頭側)
エントランスが現れました。ドアに反射して見えている橋もかっけー。
中へ入るとお手洗いがあるので万が一ここへ来る前お手洗いに行き忘れても安心。そして今年は異様な暑さなのでこれからの時期はこのあたりで水分補給も忘れないようにしましょう。基本的なことほど忘れやすいので本当にお気をつけくださいね。
レインボーブリッジ遊歩道のことをプロムナードと呼ぶみたいですね。ちなみにプロムナードとはフランス語で「散歩」や「遊歩道」を意味するらしいです。まさに当サイトにぴったりじゃないですか。なんか響きもおしゃれだしこの際プロムナードに改名しようかな。
エレベーターで7階プロムナードへ
そして順路に従ってエレベーターへ乗り込みます。とうとう知られざる橋の内部へと潜入していきます。ひとりなのでもちろん黙ってはいますが上昇していくたびに私の高揚感はさらに高まっていきます。
しかももうすでに眼前にはご覧の通りの絶景が広がっています。昔から田舎暮らしに憧れを抱いていますがこうして見るとやはり東京もいいところです。
こちらのエレベーターで2階から7階まで上がっていくといよいよレインボーブリッジ散歩の本番。
7階プロムナードサウスルート(南遊歩道)
エレベーターを降りるとサウスルートへの案内があります。
芝浦ふ頭側から行くと右側がサウスルート(南遊歩道)になっており、左側がノースルート(北遊歩道)になります。自転車の場合、芝浦側から行く際はサウスルートで、お台場側から行く際はノースルートという一方通行スタイルらしいです。自由に選べるのかと思いきや。
よっしゃいくぞ〜!テンションはマックス!
でもね、エレベーター降りた瞬間に衝撃の事実が…
風がマジハンパねぇ!!!
写真を撮るのも命がけですが私のこれまで長らく眠っていたジャーナリズムが目を覚まします。とにかく尋常ではないほどの強風でどんなロングヘアーでもカップ麺を待っている間に乾きそうなくらい。仮に無事できあがっていざ実食しようとしても中身ごとどこかへ吹っ飛ぶレベル。
ちなみに橋の上で何かを食べるのはNGなのでルールはお守りください!
かな〜り先の方にお台場のランドマークであるお台場海浜公園やフジテレビ、さらにはパレットタウンの大観覧車が見えていますね。大観覧車のふもと付近にかつて存在した伝説のショッピングモールヴィーナスフォートは惜しまれつつ今年の3月27日に閉館してしまいましたね。
この施設の雰囲気が大好きだったので私は閉館直前と閉館2ヵ月後に行ってきました。
そしてiPhoneが吹っ飛んでしまうと他人様へご迷惑がかかってしまうため死守。そのため終始全力で握っているので指が写り込んでしまっています。どうかご容赦くださいませ。
道中のところどころに画像のような休憩ポイント的なスポットがありますので、疲れてもこちらでちょっとひと休みすることができます。今回はたまたま地上も強風だったので全然気が休まらずスルー。
眺望は控えめに言って最高。ここはニューヨークか!と叫びたくなるほどのビル群に気分は開拓者からすっかり現代アメリカ人。ニューヨーカーらしくここで新聞でも広げてサンドイッチをかじりたいところですが残念ながらそれは叶わず強風により再び我に帰ります。
向かい風の抵抗を受けて片手の自転車は非常に重く、もはやトレーニングなのですが足腰強化のためにも構わず進んでいきます。
平日の午前中ということもあるんでしょうけど驚くくらい人とすれ違うことがないのでたまに前方から通行人が現れると結構ドキッとします。もはや冒険気分に浸れます。モードは再び開拓者に。
レインボーブリッジ中央部には新橋〜豊洲間を結ぶモノレールゆりかもめが走行しており、その両サイドが一般道で、両端が今お散歩をしている遊歩道となっています。
そうこうしているうちに早くも2つめの休憩ポイントへ到着しました。ってまた指写ってるんですけど。自分自身に喝とクレームを入れてやりたいくらいですが、それだけ必死にこの一枚を撮影しているという臨場感をお楽しみいただければと…
どうやら今いる場所は主塔部のよう。
こちらの看板にも記載がありますが、実はレインボーブリッジは二階建て構造になっており、現在歩いている場所はイラストでいうところの1階部分。
見上げても主塔の高さを実感できないのが少し残念なところですが、無料で通行させていただいているので一切の文句はなし。
ちなみに2階部には有料道路の首都高が通っています。首都高からは主塔を見上げることができます。
おっと、中央部まで来た途端なんだか雰囲気が変わりました。この先を曲がると何があるんだろう。非常にワクワクする瞬間。
台場アンカレイジというシュールな空間
室内へ入るとすぐのところに現在は稼働していないと思しきエレベーターが出現。ついさっきまでの強風から解放され安堵とともに静寂が訪れます。ちょっと退廃的な空気が漂っていて個人的になんか好きな空間。
ゴミ箱だけがポツンと設置されたなんともシュールなスポットです。
なんとなくおぼろげな記憶なので信憑性はありませんが、実は幼少の頃一度親戚のおじさんに連れてきてもらってここを歩いているんです。そんで、その時はこの下に広い休憩スペースがあってジュースを買ってもらい飲んだような。今は封鎖されているけどさっきのエレベーターはそこへ繋がっていたのかも。
急にプレシャスメモリーズがフラッシュバックしめっちゃエモい気持ちに浸れました。学生のこ〜ろ〜のは〜なし〜♪
謎の空間ですが私は満喫できましたしおかげさまで体力を回復させることができました。ありがとう謎の空間。
どうやらこちらは台場アンカレイジという場所のようで、アンカレイジとは橋を支えるために必要なコンクリートの塊だそうで、意味のない場所(失礼)かと思いきや橋にとってものすごい重要な役割を担うところだったわけです。謎空間とか言ってさーせんでした。
レインボーブリッジの利用時間は季節によって異なるようで4〜10月が9:00〜21:00まで。それ以外の冬季シーズンは10:00〜18:00までで営業時間が短くなるみたいなので、徒歩もしくは自転車で通行される場合はご注意ください。
なんだか後ろ髪を引かれる思いですがそろそろ出発しましょうか。やっぱり昔おじさんにジュースを買ってもらった場所なのかな。
フジテレビなどがある人気観光スポットお台場エリアが徐々に近づいてきましたよ。
お馴染みの休憩スポットが出てきますが今回はベンチがないですね。
品川第六台場というかつて砲台があった無人島
なんかすごいのでてきたんですけどWWW
草生えるどころの騒ぎじゃなくて森生えてます。レインボーブリッジ散歩の道中で私が一番釘付けになったのがこれ!ホントすごくないですか〜?こんなガチの無人島が都内にあるなんて。
調べてみたところ品川第六台場という場所らしく国指定史跡という歴史的に見ても貴重な場所なんですね。まさにお台場という地名の由来がここにあったというわけです。ペリー率いる米国からの侵入を恐れて幕府がここに砲台を作って相手を牽制したのだそう。
現在は平和に木々がゆさゆさばっさばっさと揺れていて東京にいながら究極に自然を感じることができますよ。
このあたりからゆるやかな下り坂となり風も少々和らいできたのでかなり楽に。
ふと振り返ってみると先ほどの第六台場がかなり後ろの方に。知らず知らずのうちにこんなにも自転車を押してきたんだという達成感に満たされていきます。プロムナード(散歩)もいよいよ大詰め。
第三台場(台場公園)
またまたすげぇやつ!!!(語彙力)
こちらは台場公園と呼ばれている場所のようですね。一般人は入れないのかと思いきやお台場海浜公園の一番先端の部分で、お馴染みのビーチから歩いて行けるそうです。これまでお台場は幾度となく訪れていますが今回自転車でレインボーブリッジを渡らなければ存在自体を知らないままだったかもしれません。
ちなみにこの場所もお台場という地名に関係するようで、先ほどの無人島は第六台場でしたが今度こちらは第三台場だそう。かつては周辺に砲台が六基存在したそうですが現存しているのが今回紹介した二基とのこと。
上から眺めると綺麗なひし型でこちらも第六台場同様にしばし時間を忘れて見とれてしまいました。双方を上から眺めるためにレインボーブリッジを徒歩で渡る価値は十分にあります。それくらい圧巻の光景でした。
ちなみにこの台場公園内にはかつての砲台跡をはじめ火薬庫跡・かまど跡・陣屋跡等歴史的にも貴重な施設の数々がなんと無料で見学できるようなのでレインボーブリッジを渡ったついでに歴史散策をしてみるのもおすすめです。勝手に入れないものだと思っていたので私も今度行ってみます。
後日、気になりすぎて行ってまいりました!ぜひこちらの記事もご覧くださいませ。
さて、そろそろ約1.7kmのレインボーブリッジ散歩も佳境に入ります。
ノースルート(北遊歩道)
レインボーブリッジのたもと(お台場側)まで無事に到着しましたが、ノースルートの眺望なども気になり、せっかくなので見学させていただきたいと思います。台車を後輪に取り付けたスペシャル仕様のママチャリを押しながら。「自転車はこちらからお願い致します」と矢印とともに案内があるので、やはりお台場側から自転車で渡る際はノースルートになるようです。
ノースルートは東京の大パノラマが広がっておりこちらも息を飲むほどの絶景です。遠くの方にはお台場に並んで人気の観光スポットになったスカイツリーが見えますね。
実は私事ではございますが小さく見えているスカイツリーの近くからはるばる炎天下の中ママチャリを漕いできました。正直性能も良くないドンキ購入の廉価なママチャリを愛用しているのですが、こんなに素敵な場所まで連れてきてくれることに感謝です。愛着が湧きますが最近不調気味で街の自転車屋さんでメンテナンスをしていただきました。
大切にさんぽたびより号として愛用しますのでどなたかご自宅に使用されていないスポーツサイクルが眠っていたら格安でお譲りください。都内ならどこでも取りに伺いますので割とガチめにお願いいたします。
もれなくあなたの街をお散歩しながら宣伝させていただきます。
ふたつの歴史的に重要な島を上から眺めることができるサウスルートもおすすめですが、レインボーブリッジ本体を眺めたい方にはこちらのノースルートがいいと思います。こんなに「らしい」写真が撮れちゃいます。夜はもっとキレイだろうなぁ〜。
ではそろそろたもとの方へ戻りましょうか。
そして一切意図していなかったのですが偶然にもこの日のTシャツがマルチボーダーのなんとなくレインボーカラー風味で、最後の最後に若干の恥ずかしさを感じてしまいました。めっちゃ浮かれて来た人みたいですが幸いにも道中すれ違った方は数名なのでちょっと安堵。
ここまで来ればほぼゴールですね。なんか強風に打ち勝って命がけで写真撮影もしてきたので本当に達成感があります。もともと地上も風の強い日だったのでそういう日は危険です。悪天候の際に渡る場合は特に注意が必要です。
大きい案内図がありました。これを見ていただくと位置関係がより把握できるのではないでしょうか。
右にある事務所で係員さんに自転車で通行してきた旨をお伝えして後輪にくくりつけた台車を一緒に外し、これにてレインボーブリッジチャリ散歩が幕を閉じました。控えめに言って刺激的な時間でした。
お馴染みのお台場海浜公園の砂浜が最高のご褒美でした。6月の梅雨時ながら30°以上をマークしお日様も姿を現していたのでここぞとばかりに日光浴をして帰りました。
条件つきではありますがレインボーブリッジは自転車で渡れることがわかりました!
今までなんとなくの思い込みで自転車では通行できないと思っていたレインボーブリッジですが今回のお散歩で渡れることが判明しました。もともと好きな橋のひとつではありましたが新たな発見と出会いがあり、お電話した際の事務所の方の対応、係員さんも皆さん親切丁寧に接してくださりさらに好きになりました。
レインボーブリッジと聞くとどこか懐かしいエモさと近未来という相反する要素を感じるのは私だけではないはず。ファッション業界ではY2Kという2000年前後の装いが再びトレンドとして浮上しているので、ちょうどその頃頻繁にフューチャーされていたレインボーブリッジの時代が再び到来する日も近いかもしれません。
サウスルート・ノースルート、どちらの道を選んでも絶景天国。今から流行を先取りしてみてはいかがでしょうか。